放送開始まで10日 「青い海の伝説」あらすじプロローグ

11/06/2016




静かな海の底から突然人魚が姿を現した。
誰か会いたい人がいるかのように陸を眺めている。

「あなたはこれから私のことを覚えていられないだろう」
私はそれを呪文のように唱えた。
会いたい人は彼なのか…
私はスペインで出会った事を思い出していた。

気付いたから彼の綺麗な顔を見て、思わず覗き込んでいた。
そしてうっとり見つめながら呟いていた。
「それでもキレイ…キラキラしてて、その目ん玉」
彼はビックリしたように顔を上げて、目を真ん丸くした。
見つめ合ったあの瞬間から恋に落ちたのだろうか…
そんな出会いだった

突然人間の世界に迷い込んだ私は彼を驚かせてばかりだった。
食事を手で食べたり、クローゼットの洋服で口をぬぐったり。
そして部屋も散らかし放題。
何もかもが初めての体験だった。
信号の渡り方すら知らない私に、彼は呆れてトレーナーの袖を引っ張って連れていった。

もしかしたら、彼は気付いたのかしら、私が人間ではない事を。
彼が「もしかしてお前恥ずかしがってるのか?」って聞いたけど何も答えられなかった。
彼は詐欺師だ。
もちろん黙ってはいない。
私の正体を知ろうとして、蹴られてしまった。
そんなに力を入れた訳ではないのに、人間の世界では怪力なのかもしれない。
彼を蹴ると、向こうも反撃してきた。
「女だからって許されると思うなよ」といって捕まれそうになったから、また蹴ってしまった。
彼との日常が始まった。


寄稿:まちちゃん (@lmh_kig)


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